イギリスで始めたこと

先週の月曜日は夫が専門医に診てもらえる日だった。
怪我をしてから３ヶ月、待ちに待った日だった。
診療室に入って待っていると専門医がやってきた。
夫のカルテを見ながら夫の説明を聞き触診をした。
やっと口を開いた専門医は膝の中の様子を見るのに
スキャンの機械に乗ってもらわなくてはならないのだが
無理そうに見えると言う。
体重はどのくらいと訊かれたがここ何年も量っていないのでわからない。
スキャンの体重制限は１３０キロまでだそうだ。
専門医は夫の体重がはるかにそれを超えていると思っている。

夫と一緒になってから里帰りしていたときに実家で
新しい体重計を買った。
家族みんなで体重を量ったとき夫はこれは最初で最後だと
体重を量った。
その時の体重は１３４キロ。
その体重計は１３６キロまでしか量れない物だった。
あれから８年くらい。
どう見ても夫はあれからさらに太っている。
膝を怪我してからまた少し太ったと思う。

看護師が体重計を持ってきた。
量ってみるとなんと１６０キロ。
さすがにこの数字には驚いた。
一番驚いたのは本人かもしれない。

専門医がスキャンのスタッフに体重制限を確認してくれたが
やはり無理だと言う返事だった。
この専門医が言うには自分は通いの医師で
スキャンの結果を見ずに治療する自信はない。
手術を担当する医師に診てもらってその医師に診断してもらうと言う。
新しい医師に診てもらうには再度診察を受ける予約をしなければならない。
また一からやり直し。
この日の診察はわずか１０分足らずで終わってしまった。

病院から出てきた私と夫は言葉がなかった。
３ヶ月待ってようやくきた日がこれだけなんて・・・
落ち込んでいる夫。
言葉をかけたいが私自身も言葉を失っていた。
夫は早速夫の母に電話をした。
私も日本でこの日の結果を待っていた母に電話した。

この日は病院の後にパスポート用の写真を撮る事にしてたので
とりあえずカメラやさんへ行った
こんな日に１０年も残る写真を撮るのかと思いながら。

家に戻ったがまだ１０時半。
一緒に夫と家にいてもなんだかお互い言葉がなくて気まずい。
気分転換に釣りでも行ったらと近くの釣堀へ夫を送った。

一人家に戻って友達に電話をしてこの日起こったことを聞いてもらった。
私も一人で少し気分転換ができた。
夕方夫を迎えに行くと笑顔が戻っていた。
前日よりも大漁で気をよくしていた。

夫がこの日医師に言われたことはウエイクアップコール（警告）だと言う。
今まで自分の身体を省みず食べたい物、飲みたい物を
好きなだけ取っていた自分のせいだと言った。
医師は夫の足のむくみやセルライトにもふれて
今の状態で手術を受けると傷口が化膿したり感染症になる可能性が
普通の人よりかなり高いと言われた。
いずれにしても痩せなければ心臓にも膝にも負担がかかるだけ。
夫はダイエットすると決心してくれた。
それでも最初の２日は自暴自棄で何を食べたいか聞いても投げやりで
スープだけでいいとかトーストだけでいいなど単に食べないと決めたようだった。
でもこれでは栄養が取れないし健康的なダイエットではない。
３日目からようやく夫も協力的になってきて
私はにわかにインターネットで低カロリーダイエットの情報を得たり
ダイエットの雑誌を買ってきた。
今２人で決めたことは３食は必ず食べること。
魚か肉をメインに野菜多目の夕食。
調理に油はあまり使わない。
８時以降は食べない。
大体一日１２００から１５００カロリーになるようにしている。
ほとんどの商品にはカロリー、塩分、糖分が明記されている。
それを読みながら買うものを決めるので
おかげで買い物時間が前よりかかるようになった。

糖尿病の疑いが出て血液検査を求められたのが１ヶ月ほど前。
結果は疑い無しだったがその時からコーラとチョコを止めた。
以前は一日に２リットル飲んでいた。
水代わりだった。
コーラを止めたおかげで夜もよく眠れるようになったと言っている。
ずいぶん前から私は夫がよく寝れないのはコーラのカフェインのせいだと
言っていたのがようやくわかったらしい。

本格的にカロリーを減らしたのはまだ１週間も経っていないのに
もうお腹が引っ込んできたと言う夫。
どうやら頭のほうがおめでたいらしい。

あなたにおススメの記事