イギリスで始めたこと

仕事が終わって買い物を始めてレジに向かった。
すぐ並べそうなレジがあったのでそこに並ぼうとレジ係の顔を見て
一瞬ためらった。
マリアのレジだった。
マリアは私よりもかなり前からこのスーパーで働いている。
普段は言葉が少ない人で社員食堂で私が働いていたときも
コーヒーしか飲みに来なかった。
交わす言葉も最小限で全く笑わない。
廊下ですれ違っても挨拶をすることもなかった。
私としてはちょっと苦手な人なのだが
彼女のレジにいくとちょっと雰囲気が違っている。
仕事終わったの？と笑顔で声をかけてくれるのだ。

今日も久しぶりにマリアのレジに並んだ。
私の番になると笑顔で「今仕事終わったの？
まだ自転車で通っているの？
そう車にしたの。そうよね前に腕を自転車で怪我しているものね」
始終笑顔で対応してくれる。
私はマリアと世間話をしながら頭の中はクエッションマークでいっぱい。
これは彼女の営業スタイルなのだろうか？
普段は見たこともない満面の笑顔で応対してくれる彼女を見ながら
本当にいつものマリアと同一人物なのだろうかと思ってしまう。

たくさんの人が働いていればいろんな人がいるものだ。

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