イギリスで始めたこと

お花売り場にスタッフとして移ったのは１月初めだった。
売り場の責任者はアンジェラ。
アンジェラから仕事を教えてもらわなくてはいけないのだが
いつもすれ違いだった。
私が出勤する日はアンジェラのお休み。
彼女が出勤する日は私のお休み。
週に３日顔を合わせられればいいほうだった。
顔を合わせられる日でも私は早番、彼女は遅番。
なかなかきちんと仕事を教えてもらえる時間がなかった。
１月中旬アンジェラは４日間のお休み。
休みに入る前にアンジェラはその翌週から私のトレーニングを
するからと言っていた。

それから一週間後アンジェラが出勤する日時間になっても来なかった。
他のスタッフに彼女の事を聞くとなんか病気で休むと連絡が入ったらしいと言う。
その翌日も欠勤。
その翌週も欠勤。
誰に聞いてもはっきりとしたことがわからない。

バレンタインデーの週、いよいよアンジェラが来そうな雰囲気がないまま
お花売り場が一番賑わうその時期を何とかしようとマネージャーたちの
動きが出てきた。
他の売り場に応援を頼み四人体制で無事バレンタインを切り抜けた。

この頃からアンジェラはもう戻ってこないと思うようになった。
私は彼女の事をそれほど知らないが仲が良かったアイリーンが
メールを送ったけれど返事がなかったと教えてくれた。
同じ売り場のマークもメールを送ったけれどやはり返事がないそうだ。

この会社も４年目になると去って行った人を何人も見ているので
それほど驚かなくなった。
中間管理職は上と下との板ばさみで大変なのだろう。

結局私はちゃんとした仕事の指導を受けないまま
何とか生き残っている。
私もずいぶんタフになったものだ。

あなたにおススメの記事