Can you trust your doctor?

kemmi

2011年10月14日 05:45

一ヶ月ほど前の話になるがガーデンセンターで働いている
パムのだんなさんが自宅で心臓発作を起こした。
パムがだんなさんを病院まで運び即入院となった。
その後も病院で3度心臓発作を起こし血栓を取り除く
緊急手術を受けて今は回復に向かっている。
パムの話によると実はその一ヶ月ほど前に
だんなさんは胸が苦しいといってGPと呼ばれる町医者を訪ねている。
GPの診断は筋肉痛だった。
その後一週間のホリデーでマヨルカ島に行ったが
その間だんなさんは動悸息切れが激しくあまり観光ができなかった。
そしてイギリスに戻ってきて3日目に心臓発作を起こした。
自覚症状があって受診しているにもかかわらず誤診された。
これじゃ祈祷師に会いに行っているようなものだ。

10月に入りチャンネル4で興味深い番組があった。
Can you trust your doctor?
あなたの医者を信用できますか?という番組だ。
想像していたよりひどい内容だった。
2つの例を紹介する。
一つ目は乳がんを患った女性。
乳がんの手術を受けて回復に向かっていたが
ある時から呼吸が苦しくなってGPを訪ねた。
単なる気管支炎のようなもので深刻ではないと言われた。
それにしてもあまりにも苦しく回復しないので
レントゲンを撮ってくれるように頼んだ。
GPのクリニックにはレントゲンの設備はないので
総合病院に行かなければならない。
結果が出ているはずなのにGPは結果は来ていないと言う。
何度GPに尋ねても埒が明かないので
看護師にレントゲンの結果を探すやり方を教えてもらって
ようやく自分のレントゲンを探し出した。
そのレントゲンには肺に影が写っていた。
肺がんだった。
ようやく乳がんを克服したと思っていたのに肺がん。
番組のインタビューを受けた後、残念ながらこの女性は
この世を去った。
手遅れだったのだ。
残された女性の家族がぜひ放送してほしいと承諾してくれた。

二つ目は若い女性。
22歳のときに胸にしこりを見つけGPを訪ねた。
GPは触診したが深刻なものではないと言ってそれ以上の検査はなかった。
6ヶ月経ってもしこりはそのままでその女性はまたGPを訪ねた。
今度はちがうGPだった。
女性が6ヶ月前に一度見てもらったがまだしこりがあるので
診てほしいと言うと違うGPは6ヶ月前に受診したのなら
何でもないと触診もせず話を聞いただけで帰された。
この女性はそれでも納得できず何度かGPを訪ね
ようやく検査してもらえるようになった。
結果は乳がんだった。
それも癌細胞が脊髄に移転していた。
いい結果とは言えない。
それでもこの女性は前向きに治療を受けながら
がん患者を支援するチャリティー活動をしている。

素人でもすぐに癌を疑う例だが医師免許を持っているはずの
GPは検査を怠り、患者を専門医に見せる手続きもせず
誤診で手遅れとなってしまった。
番組によると年間1万人の患者がGPによって誤診されいるそうだ。
なぜこんなGP達が医療活動を続けていられるのかと不思議に思うが
GPはGMC(General Medical Counsil)医師協会のようなものに
守られている。
本来は患者を守るべき団体だが実はGP側で
過去の誤診はうやむやにされ患者側が訴えたとしても
ひどく時間がかかるので訴えるのをあきらめてしまう患者も多い。
そして誤診を繰り返すGPの履歴にはその記録が残らない。
この国の医療は患者を助ける気が全くないように思える。
ゆりかごから墓場までと言われたが何の保護もなく
墓場に送り込んでいるように感じる。

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