クッキーに会いに

車通勤を始めてほぼ一週間。
車通勤ができると喜んだが頭を横切ったのはクッキーのことだった。
クッキーの家の前を通らなくなるから会えなくなる。
それは私が辛いので道を一本寄り道すればクッキーに会えると思った。
何とか職場までの運転に慣れてきた。
仕事が昼に終わった時とても天気がよかったので
今日ならクッキーに会えるかもしれないと思い遠回りした。
車を止めてクッキーの家の通りに入るとちょうどクッキーらしき
猫影が見えた。
家まで行くと垣根の上にクッキーがいた。
クッキーは私よりも公園へ散歩に連れて行かれる犬を見ていた。
犬たちにまぎれてクッキーと呼ぶとようやく私に気付いて
「ミャー」と鳴きながら私のほうにやってきた。
私の後には公園へ向かう犬がまだ二匹いた。
私のそばに来ようとしたら犬がいたので
クッキーは「シャー」っと犬を威嚇して二匹とも去っていったら
やっと私のところへやってきてくれた。
どこか埃っぽいところへもぐりこんだのか
ちょっと首から背中にかけて汚れていた。
私は久しぶりだねと言いながら車通勤を始めたことを説明したり
車通勤になっても会いに来るからねと
クッキーが理解しているかどうかに関わらず説明していた。
しばらく一緒に遊んでからまたねと言って帰ってきた。
まだ朝晩は寒いけれど少しずつ暖かくなってきているので
クッキーには過ごしやすくなるだろう。