ミステリアス タイランド2

kemmi

2005年07月04日 04:46

タイに着いてたしか3日目か4日目の真夜中だった。
ホテルの同室の友達がトイレへ行く物音で眼が覚めた。
時計は1時を過ぎていた。
友達が腹痛と吐き気と下痢に襲われた。
何度もトイレに通っていた。
朝方になって友達の症状は治まってきた。
やれやれと2人再び眠りに着いた頃、今度は私のお腹が不調を訴え始めた。
友達と全く同じ症状である。
この日はアユタヤへ行く予定だった。しかし私の症状は回復には程遠かった。
とてもアユタヤまで列車を乗り継いで行く自信がなかった。
かといって窓のない安ホテルに一人寝ている気にもなれなかった。
皆で相談しこの日のアユタヤは取り止めてバンコク市内観光に切り替えた。
私も市内なら休みながら何とか皆に着いていけるだろうと思った。

私たちは王宮へ向かった。
この日も暑かった。
体温と同じくらいの気温なので暑いのか熱があって暑いのかわからなかった。
ゆっくりと歩きながらエメラルド宮殿まで来たが、そのあたりから
私の調子が悪くなってきた。
ここで座って休んでいるから友達に私に構わず他の所を見学するように頼んだ。
それでも心配だと友達が一人私の傍に残ってくれた。
座って休んでいても目の前がくらくらしてそれも怪しくなり
友達が横になったほうがいいと言ってくれてその場で横になった。
多くの観光客がエメラルド宮殿で横になっている私を不思議そうに覗き込んでいった。
他の友達もやはり心配ですぐに戻ってきた。
そして係員に私の具合が悪い事を伝えてくれた。
救急車を呼んでくれることになってしまった。
海外旅行保険にも入ってきたから治療代は何とかなるだろう。
係員の人たちは何度も様子を見に来てくれて
「あと10分で救急車が来るから」と教えてくれた。
しかし救急車が来たのはたぶん30分くらいかかっていたと思う。

救急車が来た時には私の症状はずい分良くなっていて
自分の足で歩けるようだった。
救急車で病院へ行くまでもないように思えたのだが、
今まで救急車に乗ったことなんかないから乗ってみたい。
今度は好奇心が湧いてきて誘惑に勝てなくなってしまった。
救急車で来てくれたのは運転手さん、やさしい看護士のお兄さん
そして可愛らしい看護婦さんだった。
タンカーに乗せられて救急車へ。
私の顔色も大分良くなっていたので友達も大丈夫だとわかると
私のように好奇心が湧いてきたようだった。
救急車の中では和やかなムードになって写真撮っていいかなと
写真を撮り始めた。
可愛い看護婦さんもいい写真が撮れる様にと酸素マスクをかぶせる
真似までしてくれた。

病院は宮殿から目と鼻の先だった。
お医者さんも優しい人で私の症状を聞いて「食あたりでしょう」と言って
下痢止めの薬と脱水状態に水分と栄養を補給するパイン味の
粉ジュースの素のような薬をくれた。
さて会計をしようと窓口に行くと係りの人が
「ここは国王の病院ですからお金はかかりません。」と言った。
ビックリしてしまって、でもと言うと
「どうしても払いたかったらそこに寄付箱がありますから」と言われた。
なんて寛大な国なんだろう。
僅かながらのお金を寄付して私たちは病院をあとにした。

この後も日替わり人替わりお腹を壊すことがあった。
それはスパイスのせいか暑さのせいか何のせいかわからなかった。
前に日に食べたマンゴが怪しかったかも。
でもどこで何を食べても美味しかったので食あたりくらいは覚悟しなくてはと思った。

その後タイへ行く人がいたら変なアドバイスをしている。
もし身体の具合がおかしくなったら這ってでも王宮まで行って
倒れると助けてもらえると。

私は王宮で見たものをほとんど覚えていない。
覚えているのは倒れていた時に見ていたエメラルド宮殿の高い天井だけ。
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