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2011年10月14日

Can you trust your doctor?

一ヶ月ほど前の話になるがガーデンセンターで働いている
パムのだんなさんが自宅で心臓発作を起こした。
パムがだんなさんを病院まで運び即入院となった。
その後も病院で3度心臓発作を起こし血栓を取り除く
緊急手術を受けて今は回復に向かっている。
パムの話によると実はその一ヶ月ほど前に
だんなさんは胸が苦しいといってGPと呼ばれる町医者を訪ねている。
GPの診断は筋肉痛だった。
その後一週間のホリデーでマヨルカ島に行ったが
その間だんなさんは動悸息切れが激しくあまり観光ができなかった。
そしてイギリスに戻ってきて3日目に心臓発作を起こした。
自覚症状があって受診しているにもかかわらず誤診された。
これじゃ祈祷師に会いに行っているようなものだ。

10月に入りチャンネル4で興味深い番組があった。
Can you trust your doctor?
あなたの医者を信用できますか?という番組だ。
想像していたよりひどい内容だった。
2つの例を紹介する。
一つ目は乳がんを患った女性。
乳がんの手術を受けて回復に向かっていたが
ある時から呼吸が苦しくなってGPを訪ねた。
単なる気管支炎のようなもので深刻ではないと言われた。
それにしてもあまりにも苦しく回復しないので
レントゲンを撮ってくれるように頼んだ。
GPのクリニックにはレントゲンの設備はないので
総合病院に行かなければならない。
結果が出ているはずなのにGPは結果は来ていないと言う。
何度GPに尋ねても埒が明かないので
看護師にレントゲンの結果を探すやり方を教えてもらって
ようやく自分のレントゲンを探し出した。
そのレントゲンには肺に影が写っていた。
肺がんだった。
ようやく乳がんを克服したと思っていたのに肺がん。
番組のインタビューを受けた後、残念ながらこの女性は
この世を去った。
手遅れだったのだ。
残された女性の家族がぜひ放送してほしいと承諾してくれた。

二つ目は若い女性。
22歳のときに胸にしこりを見つけGPを訪ねた。
GPは触診したが深刻なものではないと言ってそれ以上の検査はなかった。
6ヶ月経ってもしこりはそのままでその女性はまたGPを訪ねた。
今度はちがうGPだった。
女性が6ヶ月前に一度見てもらったがまだしこりがあるので
診てほしいと言うと違うGPは6ヶ月前に受診したのなら
何でもないと触診もせず話を聞いただけで帰された。
この女性はそれでも納得できず何度かGPを訪ね
ようやく検査してもらえるようになった。
結果は乳がんだった。
それも癌細胞が脊髄に移転していた。
いい結果とは言えない。
それでもこの女性は前向きに治療を受けながら
がん患者を支援するチャリティー活動をしている。

素人でもすぐに癌を疑う例だが医師免許を持っているはずの
GPは検査を怠り、患者を専門医に見せる手続きもせず
誤診で手遅れとなってしまった。
番組によると年間1万人の患者がGPによって誤診されいるそうだ。
なぜこんなGP達が医療活動を続けていられるのかと不思議に思うが
GPはGMC(General Medical Counsil)医師協会のようなものに
守られている。
本来は患者を守るべき団体だが実はGP側で
過去の誤診はうやむやにされ患者側が訴えたとしても
ひどく時間がかかるので訴えるのをあきらめてしまう患者も多い。
そして誤診を繰り返すGPの履歴にはその記録が残らない。
この国の医療は患者を助ける気が全くないように思える。
ゆりかごから墓場までと言われたが何の保護もなく
墓場に送り込んでいるように感じる。


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この記事へのコメント
聞けば聞くほど恐ろしい状態ですね~。

私の妹もイギリスにお嫁に行き、
子供の体調が悪い時など、
イギリスのお医者さんには
相当苦労していたみたいです。

このままだと殺されると言って、
イギリス人の旦那と日本に帰って
きました。

また子供が大きくなれば戻って
しまうのでしょうが、
聞けば聞くほど恐ろしい状態で、
日本の医療が随分ましなのだなあと
思いました。

自分でお医者さんを選べ、
そこまで医療費の高くない日本は
ありがたいのかもしれませんね。

私はイギリス大好きなのですが、
残念なところもあるのですね。

ご主人の膝も早くよくなるといいですね。
お大事になさってくださいね。
Posted by 南へGo at 2011年10月14日 21:08
☆南へGoさま

妹さんがイギリスにいらしたんですね。
日本に移られたのは賢明だと思います。
医療制度はひどいとは思っていましたが
これほどとは思いませんでした。
私も何か具合がおかしいと思ったら絶対に日本へ帰ります。
私にはそれができるからいいのですが
イギリスで生まれイギリスしか知らない人は
ただ受け入れてしまいますね。
知らないというのも怖いです。
Posted by kemmi at 2011年10月15日 04:37
怖いですね。日本ってそれに比べていい国だわ。

やっぱり「おかしい」って思ったら徹底的に調べないと後悔しそうですね。

私もさっそく歯医者を予約しようと、近所の歯医者に出向いたのですが、
対応した女性は「今はNHSの予約がいっぱい」との回答。
次の日、主人が同じ歯医者に電話をした際、「うちはNHSをやってない」と回答。
「昨日訪ねた時はいっぱいと言われた」と問い詰めるも
「うちはやってない」の一点張り。お手上げです。

でもイギリスではDrと教師の給料が良い事で有名ですよね。
こんな人たちに任せてて良いのかな?と不安になります。
Posted by ニコ at 2011年10月16日 00:58
怖い話ですね。でも、よく聞きますよね。
私自身は、医者に恵まれて(?)、ちょっと用心しすぎじゃないの?というケースで、GPに診てもらってから2週間たたないうちに病院で癌の精密検査をしてもらいましたが、怠るよりは、用心に越したことはないですね。(案の定、なんともありませんでしたが。)
直接の知り合いは、専門医に診てもらうまで、6ヶ月かかり、診察の当日、予約時間を3時間過ぎても診てもらえず、仕事の都合でやむなくその日はキャンセル、次の指定日は8ヵ月後、手紙を受け取ったときは、診察指定日を数日過ぎていた、というお粗末だったらしいです。
Posted by ぽん at 2011年10月16日 17:46
☆ニコさま

日本を出て初めて日本の制度がどんなによかったのかがわかりますよね。
長期で日本に帰れるなら医療は日本で受けたほうがいいと思います。

歯科は残念ですね。
インターネットでお住まいの地区のNHS歯科を
インタネットで探せますのでそれであたってみるといいと思います。
歯科にかかるのに何でこんな苦労をするのかと思いますよね。
Posted by kemmi at 2011年10月16日 21:23
☆ぽんさま

お久しぶりです。
ポンさんのGPは素晴らしいですね。
それに比べてお知り合いの方のケースは信じられません。
いえ、信じられます。イギリスですから。
それにしてもひどすぎますね。
Posted by kemmi at 2011年10月16日 21:32
わたしもこの番組見ましたが、恐ろしくて最後まで見ていられませんでした。

この国での生活を心地よく感じていますが、乳がんを患ったことのあるものとして、「そのうちこの国の医療システムに殺されるのではないか」という不安は、常にどこかにあるような気がします。

幸い、今日偶然にもGPに赴き乳がん検診の予約を取ったのですが、今日見てもらった女医さんはこれまで会った医者の中で一番プロフェッショナルで「中にはこういう人もいるのか」と逆に感心しました。

Kemmiさんのご主人の件を聴いていましたし、実際自分が経験したりしていたので、この番組を見て驚くことはなく、「やっぱり」という印象でした。
Posted by おゆり at 2011年10月22日 10:40
☆おゆりさま

おゆりさんもこの番組をごらんでしたか。
本当に現実味があって恐ろしかったですね。

今回よいGPの女医さんに会えたなら名前をしっかり覚えておいて
次からは指名したほうがいいですよ。
夫も右膝を怪我してからよく話を聞いてくれる女医さんに診てもらい
それからずっとその女医さんを指名しています。
都合が合わなくてほかの先生はどうかと言われると
必ず数年前に左ひざを診てもらって年齢だから仕方がないと
言い切った藪医者の名前を出されます。
夫は即座に断りますが
きっと夫の他にも嫌な診察をされた人がたくさんいそうです。
Posted by kemmi at 2011年10月23日 04:03
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