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2008年10月15日

コス島のホテル

コス島のホテル
コス島ではAlice Springs Hotelに泊まった。
去年くらいから旅行の計画を立てるときにトリップアドバイザーという口コミ情報サイトを利用している。
コス島のホテルを決めるときAlice Springs Hotelの評判がとてもよかった。
家族で経営されているのこのホテルは設備としては2つ星なのに
なぜこんなに評判がいいのかと半信半疑のところがあった。
でも滞在してみてあの評判は嘘ではないと思った。
コス島のホテル

父のジョージはホテルのあるじ。
チェックインのその時から私たちの名前を覚え、滞在中はいつも名前で呼んでくれた。
これがすべての客に対してである。
先に泊まっている客と知り合うきっかけを作ってくれたりとても気を使ってくれた。
奥さんのバーバラも素敵な女性でプールサイドにあるバーで応対してくれた。
ジョージの妹さんのリタも素敵な女性で料理から客の応対とほぼ全てをこなし
いつも笑顔の絶えない人だった。
次男のイリアスはお父さんを尊敬しそんな父の力になろうと一生懸命。
ゲストの私たちをいつも楽しませようとしてくれた。

私たちがとまった最初の夜にこんなことがあった。
土曜日はフライトの日で新しい客と今まで泊まっていた客の入れ替わる日だった。
飛行機の時間は行き先によって様々でその日は5つの時間があった。
2人の初老の男性が2人、プールサイドバーで彼らの迎えのバスを待っていた。
イリアスが2人にゲスト帳に住所と名前を書いてと頼んで書き込んでいるのを
見ている間にイリアスの表情が変わってきた。
イリアスが2人にロンドンへ帰るのと聞くとそうだと答える。
ロンドン行きのバスはもう8時半に来たと言うと2人は否定した。
「いやいや僕たちのバスは10時半に来るんだ」
この2人、別の時間を自分たちのバスの時間と思い込んでいた。
イリアスが説明しても埒が明かず、イリアスはすぐに父ジョージに
ことの説明をするとジョージはすぐにタクシーを呼んだ。
それから空港、この2人の世話をしていたはずの現地ガイドにも連絡を取った。
これから2人をタクシーで空港に向かわせるので飛行機に乗せるようにと頼んだ。
事の一部始終を見ていた私たち。
イリアスに飛行機は何時と飛ぶのと訊ねると11時という。
時計を見ると10時20分。
大丈夫と聞くとイリアスはたぶん大丈夫と答えた。
親子二人で一生懸命の姿を見て私たちはなぜこのホテルの評判がいいのか
わかった気がした。

とにかくこのホテルの居心地がよかった。
まるで以前からの知り合いのように名前で呼ばれ親戚の家にいるような感覚。
朝から晩まで必ずこの家族がホテルにいて私たちの相手をしてくれる。
朝の挨拶、日中の遊びから帰ってきてお茶を飲みながらジョージたちとお話。
夕食に出かけ戻ってきてから寝る前までバーでお酒を飲みながら
イリアスたちや顔見知りになった他の客とその日の話や
いろんな話に花が咲いた。
他の客も同じように感じていたと思う。
客同士の雰囲気もとてもよかった。
中には17年間毎年来ているご夫婦。
私たちが仲良くしていたご夫婦は3年連続このホテルに来ていた。

ホテルの設備は素晴らしいとは言えない。
熱くなったり冷たくなったりするシャワー。
便座がずれてしまうトイレ。
でも部屋は毎日綺麗に掃除されタオルも毎日きれいだった。
もしサービスが悪かったらシャワーや便座の苦情を言っていたかもしれないが
部屋にいるよりジョージたちや他の客と過ごしている時間が多くて
それが楽しい物だったからシャワーも便座も苦にならなかった。
夫は30年くらいいろんなホテルに泊まったけれどこんなに居心地のいいホテルは
無かったと言っている。

いまどきかなり珍しい電話。
コス島のホテル

アリススプリングスはオーストラリアの地名。
ジョージはコス島で生まれてオーストラリアで育ち30年前にコス島に戻ってきて
レストランから始めて今はホテルを家族で経営している。
毎週水曜日のオージーナイトと金曜日はジョージが前日から作る
ギリシャのラム肉料理の夜。
どちらも楽しかった。ラム肉の料理も美味しかった。

ホテルを発つ日、私たちの迎えのバスは1番で午前中だった。
イリアスは午後から仕事に来るので残念ながらさよならが言えなかった。
バスに乗り込む私たちをジョージは一人ひとり見送った。
さよならを言ってバスのシートに座った途端、私の目に涙があふれた。
何の涙なのか良くわからないくらい不思議な涙だった。
きっとジョージたちのもてなしに感動したのかもしれない。
とても説明できない涙だった。
たぶん私の前世はギリシャ人でその魂がコス島を離れたくなかったのかも・・・


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この記事へのコメント
おはようございます
木のベッド
緑の電話がかわいいですね。

わたしだけかな?
なんだか、画面が細長くなっていて
写真が見辛くなっているのですが・・・。
Posted by お芋だいすき at 2008年10月16日 07:43
おもてなし・・・。
日本では多数の従業員を雇い、大人数の客を受け入れて
薄利多売を売りにする巨大ホテルが席巻していますが
細かい所までは、どうしても目が届かないものです。
客数確保は、旅行代理店に任せて代金の何パーセントかを
支払うと経営はぎりぎりでしょう。勢い仕入れる食材も接客人員も
パートを雇いコスト削減、安価な輸入品に手が伸びます。
山の中でも定番の刺身が出たり、冷めた料理が運ばれて来て
まっ、こんなものだろう。この料金なら仕方がない・・・と
ある意味お客も納得している。でもまた来たいと思わないのですね。
安価で満足する客はさらにより安い場所を探すでしょう。
安さは魅力がありますが、来てよかった。また来たい・・・
と思える宿泊施設は心に響く「おもてなし」がありますね。
それが居心地のよい空間に通じるのだと思います。
帰りのバスの中で涙したkemmiさんの思いがこちらにまで
伝わってきました。よい旅行、素敵なホテルに出会えてよかったですね。(^^)
Posted by 北の旅烏 at 2008年10月16日 10:16
kemmi さま

シンプルで清潔が何よりですね。
家族で経営している小さなホテルは宿泊客にも
目が届きやすく、家族のような安らぎがkemmi さんの
涙になって現れたのでは?

ギリシャ人だったかもしれないkemmi さん!
ヴァイキングではなかったでしょう~(笑)

楽しい旅をされて良かったですね!
Posted by クッキーママ at 2008年10月16日 10:28
Kemmiさま、お久しぶりです。素敵な出会いでしたね。
家族経営の宿で、お客様のおもてなしをするって、ものすごく塩梅が難しいんじゃないかと思います。多くのお客さんに愛されている理由を、Kemmiさんは感じ取られたのでしょうね。飾ってあるお花の素朴さや、昔ながらのデザインの電話。いつかコス島にいくことがあったら、このホテルを覚えておこうと思います。
Posted by おゆり at 2008年10月16日 21:00
☆お芋だいすきさま

ダイアル式の電話を見たのはいつぶりでしょうか。
回せるかなとダイアルしてみました。

写真ちゃんと見えますか?今は大丈夫だと思うのですが・・・


☆北の旅烏さま

ヨーロッパも場所によっては巨大ホテルが増えています。
あまり大きいと客同士が知り合うきっかけも少ないです。
このホテルにはまた行きたいと思わされますね。
イギリスに戻ってからも夫とジョージたちはどうしているかなと話しています。


☆クッキーママさん

大金を払って5つ星のホテルに泊まるのも素敵なことでしょうが
このホテルのサービスが私にとっては5つ星でした。
また行きたいです。

前世がバイキングだったのは夫だと思います。(笑)


☆おゆりさま

コメントありがとうございます。
おゆりさんのブログを読んでハラハラしていました。
無事生還されたようで何より。
今のおゆりさんならこのホテルへ行くと癒されますよ。
Posted by kemmi at 2008年10月17日 00:14
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