イギリスで始めたこと

どうしてかよくわからないのだけど決まりきった言葉の順序が
よく逆になってしまう。
たとえば白黒を黒白。
英語ではイギリスの魚のフライのようなものでフィッシュ・フィンガー。
しばらくフィンガー・フィッシュと呼んでいた。

初めて勤めた会社にいた時、午前中森永のおばさんが乳製品を売りに来てくれた。
その頃、豆乳を飲みやすくしたイチゴ味、コーヒー牛乳味などがあった。
豆乳は腹持ちが良かったので朝食を抜いた時など豆乳を買っていた。

その日も朝食を食べ損ねたのでコーヒー牛乳味の豆乳を買うつもりだった。
おばさんが今日はいかがですか？と訊いてくれたので。
豆乳くださいと元気に言ったつもりだった。
すると隣の席にいた先輩の顔色が途端に変わり、
「にゅうとう？乳豆？？？
Ｋｅｍｍｉさん、乳頭ってここのことよ」と自分の胸を指差して
小声だが必死の表情で教えてくれた。
たしか乳と豆が付いていたなとうる覚えだったので逆になってしまって
乳豆くださいと口走っていたようだ。
先輩にすると突然何を言い出すのかとビックリしたそうだ。

あれからずい分経つがいまだによくやってしまう。
自分でわかる理由はよく考えずにすぐに口に出してしまうこと。
口に出す前に頭の中で反復してみればおかしい事に気付くはずなのだが
なかなかそれができない。

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